ドリフトでインベタでミニターボな夜に、相手の国では朝だったりするWi-Fiマジックに酔いしれる「マリオカートDS」レビュー(1/4 ページ)

2005年12月8日に発売された「マリオカートDS」は、スーパーファミコンから続く人気シリーズ「マリオカート」の最新作。レースゲームとして人気と評価の高い今シリーズに、ついにニンテンドーWi-Fiコネクションを利用した通信対戦機能が備わった。世界中の誰とでも対戦できる画期的なレースゲームの魅力を探ってみよう。

» 2006年01月06日 14時00分 公開
[仗桐安,ITmedia]
画像

スーパーファミコン史上No.1! 〜ビッグタイトルの系譜

 「マリオカートDS」は任天堂が誇るマリオカートシリーズの5作目にあたる。スーパーファミコンで「スーパーマリオカート」が発売されたのが1992年8月27日。実に13年前だ。知る人ぞ知る事実だが、実は「スーパーマリオカート」はスーパーファミコン史上最も売れたソフトである。ドラゴンクエストもファイナルファンタジーも本家スーパーマリオさえも抑え込んで堂々の1位。当時は多様なキャラと多彩なコースに日本中が夢中になり、タイムアタックや150ccレースに血道をあげたものだ。

 次作にあたる「マリオカート64」は1996年12月14日に発売された。こちらもなんと「スーパーマリオ64」や「ゼルダの伝説 時のオカリナ」などの人気タイトルがあったNINTENDO 64において、売り上げ第1位。ワリオが初登場し8キャラ16コースの熱いレースを楽しむことができた。筆者が今までで一番はまったマリオカートはこの64版。知人を家に呼んでは4人でバトルをしたりタイムアタックをしたり、かなり熱く走りこんだ日々を思い出す。今でもたまに遊ぶほどのお気に入りタイトルである。

 続く「マリオカートアドバンス」は携帯ゲーム機初のマリオカート。2001年7月21日に発売され、据え置き機に肉薄するグラフィックとシリーズ史上最多の40コースがプレーヤーを楽しませてくれた。また、ニンテンドーゲームキューブで2003年11月7日に登場したのが「マリオカート ダブルダッシュ!!」。カートの操縦者とアイテム使用者という2キャラを乗せて走ることで、新たな面白さを提示していた。

 こうして見ると、任天堂の主要なハードにおいて必ずと言っていいほどに発売されてはユーザーたちの熱い支持を受けているシリーズであるということがわかる。その流れを考えればニンテンドーDS(以下、NDS)でマリオカートDSが登場することは必然だったともいえるし、ファンも待ち望んでいたことだろう。逆に言えば製作スタッフは「マリオカート」というヒット作の十字架を背負い込んでいたことと思うが、実際にできあがった本作は「マリオカート」の名に恥じない、期待を裏切らない出来に仕上がっている。NDSで生まれ変わったマリオカートについてお伝えしていこう。

画像 ロケットスタートは本作でも健在。カウント「2」の真ん中あたりでAを押し続けるべし

レースとは曲がることと見つけたり 〜ドリフトとミニターボを狙え

 マリオカートといえばドリフトである、といきなりだが言い切ってしまおう。そしてさらにワガママを言うならば、ドリフトといえばミニターボである、とも言いたい。ドリフトは初代「スーパーマリオカート」からあるテクニック。本作でもRボタンを押すことでカートがミニジャンプをし、その後のハンドリングで減速することなくカーブを曲がる「ドリフト」が発動する。急なカーブであればあるほど効力を発揮するドリフトは、本作では基本中の基本だ。そしてドリフト中に十字キーを左右に素早く押すことでドリフト後の数秒間ダッシュできるミニターボも重要なテクニック。成功すればオレンジ色の火を吹くエフェクトが出て瞬間的なスピードアップが体感できる。

 よくよく考えればレースゲームがなぜ面白いのかといえば「曲がる」からである。カーブが全くないレースゲームともなれば、これはもうマシン性能とかギア切り替えのタイミングでしか勝負できないわけで、味気ないことこの上ないだろう。コースがどこでどのように曲がっていて、そのカーブをマシンがどう曲がるのか。それこそが勝敗の大きな要因になる。マリオカートにおけるドリフトは奥が深く、ただ単にかませばいいというものでもなく、きっちりと理想のコース取りができているかどうかが肝心だ。またカーブだからといって全てドリフトとミニターボを狙えばよいかというとそうでもない。普通に曲がるグリップ走行のほうがよい場合もある。

 加えて本作にはシリーズ独特のアイテムの数々が登場する。敵を追撃する赤こうら、一定時間無敵になるスター、後ろの敵を滑らせるバナナなど、ファンにはおなじみのものが多い。これらの妨害が入ることで理想のコース取りを困難にさせる不確定要素が生じる。これが本作の魅力だともいえる。自分がいて相手がいてアイテムがあってカーブがある。そのほかにもコースごとにギミックや近道があったりする。これらの力関係や配置のバランスの妙が「スーパーマリオカート」をあれだけヒットさせた要因なのだと思う。そしてその絶妙なコースは本作にも確かに受け継がれている。なぜなら旧作のコースを遊べるレトログランプリなるものが存在するからだ。言うなれば「マリオカート」というアーティストのベスト盤的なものである。それについては次項で触れることにしよう。

画像 ミニターボ発動! 眼前の敵に少しでも近づけ
       1|2|3|4 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2404/25/news174.jpg 身長174センチの女性アイドルに「ここは女性専用車両です!!!」 電車内で突如怒られ「声か、、、」と嘆き 「理不尽すぎる」と反響の声
  2. /nl/articles/2404/26/news154.jpg 元「AKB48」メンバー、整形に250万円の近影に驚きの声「整形しすぎてて原型なくなっててびびった」
  3. /nl/articles/2404/21/news011.jpg 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  4. /nl/articles/2404/12/news174.jpg 築年数不明の平屋にある、ボロボロ床板をはがしてみたら…… 発覚したヤバい事実に「ビックリ!」「大丈夫でしたか?」心配と驚きの声
  5. /nl/articles/2404/26/news022.jpg ママの足にくっつく生後7カ月の赤ちゃん、甘えてるのかと思いきや…… 計算された行動と「ちいこい後ろ姿がかわいすぎ」て目が離せない
  6. /nl/articles/2404/25/news016.jpg 「電車の中で見ちゃダメ」「笑ったww」 実家からLINE「子ヤギがすばしっこくて捕まらない」→送られてきた衝撃姿が320万表示!
  7. /nl/articles/2404/25/news069.jpg “作画軽減ガンダム”をガンプラで作成 → 使用パーツも最小限の再現ぶりに「完全に一致」「部品軽減ガンダム」
  8. /nl/articles/2404/23/news090.jpg 誰も教えてくれなかった“裁縫の裏ワザ”が目からウロコ 200万再生のライフハックに「画期的」と称賛【海外】
  9. /nl/articles/2404/18/news134.jpg 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  10. /nl/articles/2404/26/news024.jpg 0歳赤ちゃん「(ママ来たっ!)」→喜びが抑えきれなくて…… 尊すぎるダンスが300万再生「心が浄化されていく」「朝から癒やされました」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  2. 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
  3. 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
  4. 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
  5. 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
  6. 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  7. 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
  8. 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
  9. 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
  10. 「ゆるキャン△」のイメージビジュアルそのまま? 工事の看板イラストが登場キャラにしか見えない 工事担当者「狙いました」
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」